週刊ポスト「やってはいけない歯科治療」第9回について

歯科治療のタブーを明らかにして、これまで歯科医と患者の間に存在していた不信感という、深い溝をいかに埋めていくか。
このようなコンセプトでスタートした、週刊ポストの「やってはいけない歯科治療」シリーズ。

 実は、現在発売中の第9回・歯周病特集において、思わぬ事態になっている。 取材した歯科医がご自身のブログやツイッターで、詐欺的な取材であるとか、まるで事実をねじ曲げた記事を掲載されたかのように主張されているからだ。

一般社会ではあり得ない礼節を欠いた表現や、決めつけた言説を述べておられるのは、SNSの普及による負の側面だろう。
私は基本的に取材は動画でカメラを回している。これは記事にする際に、現場の空気感を再認識することが可能であり、関係者で取材時の状況を共有できるからだ。
だから、今回の歯科医が主張している言説が事実と異なることを、証明することは可能である。

しかし、取材の目的は、現在の歯科治療における問題点を明らかにすることであり、一人の歯科医と対決することは本意ではないから、保身のために取材時のデータを開示しない方針だ。
とはいえ、沈黙することは、その人物の主張を認めたことになるので、私の見解を明らかにしておきたい。

週刊ポストの歯科治療シリーズは、先に述べたように、これまでのタブーとは何かを明らかにして、患者本意の歯科治療を取り戻すことである。
当該歯科医は、ご自身の発言を告発的なスタンスで掲載されたくなかったとの主張をされているが、これまでの同氏の投稿を読めば、議論の余地はない。

また、同歯科医の主張は事実と異なり、私の発言も貶めることが目的であるかのような修飾がされているが、極めて遺憾である。
同歯科医はインタビューで発言していなかった内容を含めて、大幅な追記と修正を求めてこられたが、読者の方々にとって有益な情報であるか、科学的、および実証的根拠がある主張であるか、当方で精査させていただいた。
そして、同歯科医に対し、ご主張する全てを掲載できない旨とその理由、当方の報道方針などをご説明した結果、同歯科医は掲載に同意された。

取材させていただいた方から、このような中傷を受けた経験はなかったので、率直に戸惑っているし、残念で仕方がない。