新書「やってはいけない歯科治療」脱稿の報告

まる二年間かけて取材した歯科治療の本が、ようやく一区切りつきました!
当初は、週刊ポストで11回にわたって連載したものをまとめる企画でしたが、締切に追われて取材が不十分だったところもあり、最初から調べ直すことに。
連載タイトルをパクった本が出たりするなど、ハプニングもありましたが、多くの方々のご厚意によって、様々な歯科治療の現場をこの目で見ることができました。
この場を借りて、心から御礼を申し上げます。

歯科医が書いたハウツー本は、世に溢れるほど出版されていますが、手にとって見ると自画自賛のオンパレード。
そしてブログでは、誰もが「スーパーデンティスト」「歯医者のブラックジャック」のように見えます。
実際、マスコミに登場する歯医者を取材して、ご自分たちが作り上げた素晴らしきイメージと、実際の診療現場とのギャップがあまりに大きく、唖然としたこともありました。

また、患者の歯を抜くことを、とても安易に考えている歯医者が多く、憤りを覚えたことは何度もあります。
そして疑問だったのは、他に歯を抜かずに済む方法があるのに、それを提示しないことです。医科では、説明義務違反に問われるところですが、大半の患者は知らないまま。
だから、本書は徹底的に患者目線で、自分勝手な治療を行う歯医者から、自分の歯を守るために知るべきことを書きました。

一方で、この取材では、真剣に患者の歯を残すことや、歯科医療のあり方を考えている方々との出会いがあり、彼らの思いや、誠実な歯科治療の現場もレポートしています。ですので、歯医者不信を深めることが目的の本ではありません。

一冊の本が書き終わると、充実感というよりも、あの内容が入らなかったとか、別の角度で取材をすべきだったとか、後悔が怒涛のように押し寄せてきますが。
今からでも、自分の歯を残したいと考えている方は、ぜひご覧いただきたく思います。

「やってはいけない歯科治療 」小学館新書より5月30日発売
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