和解10周年を迎えた薬害C型肝炎訴訟

時が経つのは早い。
血液製剤フィブリノゲンやクリスマシンなどで、C型肝炎ウィルスに感染した被害者たちの裁判が、国、製薬会社に損害賠償を認めさせ、和解してから今年で10年を迎えた。
まだ先の見通しが全く見えない時から、灼熱の太陽に焼かれる夏の日も、冷たい雨の日も、国会前や路上に立って、社会に問題を訴えた原告とそれを支え続けた弁護士たち。
きょう3日、東京・半蔵門で行われた集会に懐かしい顔触れが揃った。

かつてC型肝炎の著効率は1割程度だったが、現在は10割近くまでに上がっている。(※ウィルスタイプによる)
C型肝炎の治療が大きく前進したのは、原告たちの粘り強い活動の影響も大きい。

原告たちは、薬害の再発防止を目的にした医薬品の副作用に関する第三者委員会の設置を求めているが、いまだに実現していない。
この日を前に亡くなった原告もいるし、まだ救済されないまま不安な日々を送る人も多い。
原告たちはご自分たちの損害賠償がされても、他の肝炎患者のために今も活動を続ける。その利他的な姿勢に、心から敬意を表したい。