【福島原発事故】復興事業という名のモラルハザード

突然現れた通行止の表示
突然現れた通行止の表示(C)M.IWASAWA
福島県広野町の高野病院は、町を見下ろす丘の上にある。
今日、車を走らせて高野病院につながる坂道を上がろうとしたら、工事関係者に手前でストップをかけられた。堤防の建設工事のために通行止めになっており、病院に行くには大きく迂回しなければならないという。
教えられたとおり走ってみたものの、結局迷ってしまった。
 
 この工事は去年3月に終了予定だったのが8月に延期された。そして今もまだ当分終わる気配はない。
「救急車の搬送連絡があって待機していると、近づいてきたサイレンの音がまた遠くなっていき、なかなか到着しない。消防隊員でも迷ってしまうんですね。迂回路は夜間だと街灯もなくて真っ暗なので、迷っても不思議ではありません」
高野己保事務局長が、苦笑いしながら話してくれた。

実は、高野病院の対岸側の堤防工事は、とっくに完成している。
救急搬送を受けている病院のアクセスを最優先に確保すべきだと、誰もが思うはずだ。しかし、現実はこのような有様なのである。
「福島の復興事業を批判しない、できない」という呪縛に地元メディアやマスコミが縛られている。
いい加減に目を覚まそう、と言いたい。
このままでは、住民の命が蔑ろにされ、ゼネコンばかりが利益を得るだけだ。