歯周病治療でカギを握るのは歯科衛生士の存在

歯周病を予防しようBlog(歯科衛生士 太田由美さん)
フリーランスの歯科衛生士として活躍している太田由美さんが、週刊ポストの取材でお会いした時のことを、ブログでご紹介してくれた。
太田さんは日本臨床歯周病学会から認定されている、極めて専門性が高い歯科衛生士。 歯周病治療に訪れる患者の大半が、「セルフケア」ができていないし、大きな誤解をしているというのだ。

「値段の高いハミガミペーストを使い、入念に歯磨きをすれば、歯周病は治る?もしくは防げる?と思っている人が多い」

歯周病の専門的な知識をもつ歯科衛生士の太田由美さん
歯科衛生士の太田由美さん。臨床歯周病学会の認定歯科衛生士の資格を持ち、フリーランスで働いている。(C)M.IWASAWA

ドラッグストアに行くと、「歯周病を防ぐ!」というキャッチコピーがついた、値段の高い歯磨きペーストが競い合うように並んでいる。
使ったことがある人も多いと思う。 実はこれ、大きな落とし穴。
歯周病や虫歯の原因となるのは、口の中に張り付いているプラーク(歯垢)。 最近では、プラークを含めて「バイオフィルム」と呼ぶようになっている。
朝起きた時に、歯の表面に粘膜のようなものが付いていたら、それがバイオフィルムだ。
これは排水口のところに張り付いているヌメヌメしたのと同じ原理で、簡単には除去できない。

しかも、セルフケア(歯磨き)で除去できるバイオフィルムは、基本的に歯肉から上の部分。
歯周ポケットの中に入り込んで張り付いたバイオフィルムは、熟練した歯科衛生士による定期的なプロフェッショナル・ケアでしか、除去できない。
だから、コマーシャルを信じて、せっせと高いハミガキ・ペーストで歯を磨いても、歯周病は進行してしまう。
太田さんによると「自己流の歯周病対策」を続けた結果、抜歯になる人が後をたたないという。

また、プラークが付着しやすいのは、歯と歯の間で、これは「フロス」を使用しないと、しっかり除去できない。
私自身がそうだったが、このフロスも正しく使用しないと、プラークは取りきれていないのだ。
優秀な歯科衛生士は、患者のクセを見抜き、その解決方法を的確にアドバイスしてくれる。
太田さんは現場からみた歯科治療の問題点を、詳しくブログで紹介しているので、歯にお悩みの方はご覧いただきたい。

中高年世代になると、歯の悩みを抱える人が多くなる。
大阪の歯科医で、実に40年以上前から予防歯科を提唱されてきた川村泰雄先生は「老化で歯は無くならない」と明言している。
それでは、なぜ私たちは歯を失うのだろうか? この理由を知ることは、残された歯を守ることにつながると思う。
そこで、今年秋、歯科治療をテーマにした本を出版するため、第一線で活動している歯科医、歯科衛生士、歯科技工士などを取材している。