やってはいけない歯科治療 2018

5月28日発売の週刊ポストで、短期集中連載をスタートした。これは、今月30日出版の「新書版・やってはいけない歯科治療」と連動させたスピンオフ企画である。 診療室で目の当たりにしたのは、真っ二つに割った「銀歯」の下で、進行していた虫歯だった。「一生もの」と言われて高額な治療費を払ったインプラントが、「周囲炎」となり、撤去せざるをない状況が、世界的な問題になっている。根管治療(神経 […]

いまだバリウム検査に偏る胃がん検診の謎

過剰医療大国ニッポンの不都合すぎる真実 いまだバリウム検査に偏る胃がん検診の謎(東洋経済 5/21) 今週の東洋経済は、「医療費のムダ」を特集している。胃がん検診のバリウム検査について、多岐にわたる取材を基にした分析と考察がされているので、ぜひご一読いただきたい。私もご協力させていただいた。 臓器別に「がんのリスク因子」が、徐々に解明されている。胃がんの場合は「ピロリ菌」。つま […]

“やってはいけない歯科治療”を書いた理由「予防歯科への疑問」

18日、富士通が主催するイベントで、「予防歯科のカリスマ」と呼ばれる人が登壇した。 NHK「プロフェッショナル」や、テレ東の「カンブリア宮殿」、「未来世紀ジパング」で紹介されたので、歯科業界だけでなく、一般にも高い知名度を持つ方だ。 日本は、虫歯の患者数が激減する一方で、歯医者をどんどん増やした結果、〝歯科医院過剰時代〟に入っている。 こうした中で、いま歯科業界の関心を集めてい […]

がん治療の未来は、本当にバラ色か?

未来世紀ジパング「大きく変わる がん治療最前線」2018年5月16日放送 16日夜にテレビ東京でOAされた「未来世紀ジパング」では、ダヴィンチ(手術支援ロボット)や、重粒子線治療、オプジーボ、光免疫療法などの最新がん治療が紹介された。 これまで数百万円が必要だった高額な治療が、次々と保険適用になり、高額療養費制度によって最高約10万円ほどの自己負担で済むことを伝える内容だ。ゲス […]

脳死臓器移植の現実

脳死状態の少年が覚醒 医師が生命維持装置止める寸前に アメリカ・アラバマ州に住む13歳の少年が、交通事故で脳死と判定された。親が臓器提供の書類にサインした翌日、少年は意識を取り戻したという。それから一ヶ月あまり、少年は頭の傷が痛々しいまま、BBCの取材に応じて、普通に受け答えをしている。歩行は母親の介助が必要なようだが、ラジコンカーの操作をしている様子からは、手足も動くようだ。 […]

新書「やってはいけない歯科治療」脱稿の報告

まる二年間かけて取材した歯科治療の本が、ようやく一区切りつきました!当初は、週刊ポストで11回にわたって連載したものをまとめる企画でしたが、締切に追われて取材が不十分だったところもあり、最初から調べ直すことに。連載タイトルをパクった本が出たりするなど、ハプニングもありましたが、多くの方々のご厚意によって、様々な歯科治療の現場をこの目で見ることができました。この場を借りて、心から […]

バリウム検査は「胃がんリスク検査」に切り替えるべき

先週に引き続き、週刊ポスト3/26 発売号では、検査特集を組んでいる。そこで「胃がんリスク層別化検査」=通称ABC検診を受けて、一命をとりとめた群馬大学元学長・鈴木守医師のご体験を書かせていただいた。世界的な熱帯医学と寄生虫の研究者である鈴木医師が、胃がんリスク検査を勧める理由を、ぜひ知っていただきたい。 簡単に説明すると、胃がんリスク検査は、胃がんの主要因である「ピロリ菌の感 […]

HPVワクチンの重篤な副反応は、世界各地で起きていた

「HPVワクチンの問題は、日本だけで起こっていることだと、よく言われています。でも、今日の話を聞いて、そうじゃないと分かりました」坂井七海さんの言葉は、私自身の感想と重なった。ワクチンを接種した翌日に失神して、高熱、歩行障害、痙攣、腹痛など、様々な体調異変に苦しんでいる坂井さんは、今も車椅子生活を送る。 24日、東京大学・武田ホールで行われた国際シンポジウム「世界のHPVワクチ […]

膵臓がんの早期発見を可能した「超音波内視鏡」

今週発売の週刊ポストで、膵臓がんの早期発見を可能にした、「超音波内視鏡検査」について書かせていただいた。 死に至りやすい膵臓がん 超音波内視鏡検査で5年生存率3倍に[週刊ポスト2018.3.23・30合併号] 膵臓がんは、今年1月に70歳で死去した、元プロ野球監督の星野仙一をはじめ、千代の富士、坂東三津五郎など、著名人の命を奪っている。(敬称略)進行が早く、多臓器に転移し、有効 […]

50年前、日本に予防歯科を提言した歯科医

「1500人の患者を調査したら、なんと90%以上が欠陥治療でした。信じられますか?温泉の〝湯の花〟みたいな歯石がこびり付いてるのを取らずに〝鍋〟みたいな金属を被せているんですよ!これでは治療しても、また虫歯が再発して当たり前でしょう。ほんまでっせ、これじゃ患者さんが可哀想だと思いませんか!」 こう話すとバン!とテーブルを叩いた。ずさんな歯科治療に対する怒りがこみ上げてきたのだろ […]

ジャーナリストの覚悟とは何か

「新聞でも本でも雑誌でも記事を書くというのは人を傷つける行為ですよ。褒めることもあるけれど、多くの場合は人を傷つける。それを報じるのが社会的に必要なことであったとしても。そのために配慮をしたり、ブレーキをかけたりはするわけだけれども、書くということは本質的に人を傷つけるものです」 「志があれば負けはない」久しぶりに再会した恩師が教えてくれたこと(BuzzFeed 2018.2. […]

薬害再発防止に向けた取り組み

2008年に薬害C型肝炎訴訟は、国、製薬会社と和解して、被害者救済の枠組み等について基本合意した。ただし、和解から10年が経過しても、まだ約束が果たされずにいるのが、「薬害再発防止」に向けた取り組みである。原告団や弁護団が求めているのは、薬害の被害者、医療者、弁護士などで構成された、第三者組織の設置だ。 これまで、医療問題の検討会議といえば、厚労省側が、医療者や消費者団体、メデ […]

和解10周年を迎えた薬害C型肝炎訴訟

時が経つのは早い。血液製剤フィブリノゲンやクリスマシンなどで、C型肝炎ウィルスに感染した被害者たちの裁判が、国、製薬会社に損害賠償を認めさせ、和解してから今年で10年を迎えた。まだ先の見通しが全く見えない時から、灼熱の太陽に焼かれる夏の日も、冷たい雨の日も、国会前や路上に立って、社会に問題を訴えた原告とそれを支え続けた弁護士たち。きょう3日、東京・半蔵門で行われた集会に懐かしい […]

捏造記事を量産するヘイトメディア

産経報道「米兵が救助」米軍が否定 昨年12月沖縄自動車道多重事故[琉球新報 2018.1.30]※上記のページは現在表示されないため、「沖縄タイムスの報道」および「産経ニュースにアップされた、お詫びと削除」のURLを記載します。沖縄タイムスでは、12月からの報道内容を確認することができます。 沖縄タイムス[2018.2.9]「米兵が救出」記事、産経新聞が削除 沖縄2紙・読者に謝 […]

Yahooは、詐欺的がん治療に加担している

「”Yahoo!検索”が国立がん研究センターと連携し、検索結果画面で国立がん研究センター提供の情報を掲載開始」(ヤフー株式会社) ヤフー株式会社は1月30日付のプレスリリースで、スマホ版の検索画面上位に、国立がん研究センターの情報枠を新たに設けたと発表した。 「誰でも信頼のおけるがんの情報にアクセスできるようになりました」という。 早速、iPhoneを使 […]

デンタルプラークは歯の垢?

「プラークを歯垢と呼ぶべきじゃない。プラークは〝垢〟とは違う」 「エビデンスに乏しい情報が、歯科では氾濫している。嘘も多い!」 口腔内バイオフィルムに関する研究の第一人者、奥田克爾先生は、怒りをこめてこう述べた。今月21日に都内で行われた「ADI.Gアカデミー」でのこと。口腔内では、数百種類!の細菌が結合してプラーク(=バイオフィルム)を形成して、虫歯や歯周病を引き起こしている […]

新年のご挨拶に代えて

原発事故が起きて、もうすぐ7年。 あの時に生まれたはずの絆や連帯はいつの間にか消え去り、むき出しの増悪が台頭するようになりました。 不戦を誓ったはずの日本で、決して戦地には立たない政治家が、戦争行為も辞さないと公言しています。 さらに命の詐欺ともいうべきニセ医療で私腹を肥やす行為も放置され、患者と医療者の不信感は深まるばかりです。 こんな時代だからこそ、500年前にキリスト教の […]

ペンネームのジャーナリスト「村中璃子」を無視する理由

HPVワクチンをめぐって、反ワクチン報道に批判的な記事を書いている、医師でジャーナリストとされる「村中璃子」という人物が、科学誌ネイチャーが主催する「ジョン・マドックス賞」を日本人で初めて受賞した。大半の新聞やテレビは、これを報道しなかったが、上武大学の田中秀臣教授は『日本のマスメディアの特異な現象を目の当たりにした。いわゆる「報道しない自由」ともネットなどで批判される態度であ […]

がん治療詐欺を放置する厚労省

日本では、自由診療のクリニックが、効果のない免疫細胞療法などを行い、がん患者から高い費用を取っている。NHK NEWS WEBが、11月29日に配信した記事によると、厚労省はネットでの広告規制を追加するらしい。 「厚生労働省は、すべての医療について病院やクリニックが患者の体験談をホームページに掲載することを禁止するなど、新たな規制の案を取りまとめました」(一部抜粋) NHK N […]

【動画】光免疫療法が詐欺的免疫療法を一掃する

12日、横浜で行われた「がん撲滅サミット」で、今最も注目を集めている、近赤外光線免疫治療法=通称「光免疫療法」の研究者・小林久隆医師が講演を行った。 約10分の動画にまとめたので、ご覧いただきたい。 「光免疫療法」はアメリカの臨床試験で、15例中14例で、がんが30%以上縮小、そのうち7例で、がんが消えた。医学用語では、奏効率93%、完全奏効率47%となり、驚異的な成績である。 […]